Patent News

特許ニュースのまとめ

カプコン対コーエー特許訴訟 まとめ

 カプコンコーエーの特許訴訟ニュースについてまとめています。

 

「戦国無双」シリーズなど49作品をカプコンが特許侵害で提訴

人気TVゲーム「戦国無双」シリーズが、特許侵害しているかどうか裁判で争われることになった。販売元のコーエーテクモゲームスを相手取って、TVゲーム大手のカプコンがソフトの製造・販売の差し止めと約9億8000万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。8月26日に第1回口頭弁論が開かれ、コーエー側は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。

 

弁護士によるトータルサポート 企業知財完全解決 | カプコン 特許侵害でコーエーを訴える

キャラクターやシナリオが増える仕組みに関する技術というのは,

平成6年12月9日に出願され,同14年9月20日に登録された特許(第3350773号)で,拡張プログラム等が標準プログラム等に対し,キャラクターの増加,キャラクターのもつ機能の増加,場面や音響の増加をもたらす技術となっています。

 

また,敵のキャラクターなどの存在を振動で知らせる仕組みに関する技術というのは,

平成6年5月31日に出願され,平成14年4月12日に登録された特許(第3295771号)で,キャラクターが特定の状況に置かれた場合に,その特定の状況を判断する手段と振動状況を発生する手段等によって構成される技術となっています。

 

カプコン・コーエーテクモ訴訟問題まとめ ― 特許権侵害は『猛将伝』のMIX JOYか?特許期限が今年12月に迫る【追記】 | インサイド

『真・三國無双』シリーズ、『戦国無双』シリーズ、あるいは『遙かなる時空の中で』といったネオロマンスシリーズなど、コーエーテクモゲームス(旧・コーエー)のゲームには「MIX JOY」と呼ばれるシステムが多く搭載されています。ここでは、PS3真・三國無双7』とPS3真・三國無双7 猛将伝』を例に挙げて説明します。

真・三國無双7 猛将伝』は、新キャラクターや新シナリオで構成された『真・三國無双7』の内容を補う追加コンテンツ的な内容となっています。単体でもゲームをプレイすることは可能ですが、『真・三國無双7』のゲームディスクを予め読み込むことによって、『真・三國無双7』と『真・三國無双7 猛将伝』のすべての内容を一度に楽しめるようになるというものです。このシステムは、コーエーテクモゲームス(旧・コーエー時代を含む)では「MIX JOY」と呼ばれる『猛将伝』シリーズの核とも言えるもので、古くはPS2『真・三國無双2 猛将伝』(2002年8月29日発売)から親しまれてきました。

「MIX JOY」を採用しているゲームタイトルは『無双』シリーズだけに留まらず、人気ネオロマンスシリーズのひとつ『遙かなる時空の中で』などにも同様のシステムが採用され、追加シナリオなどが楽しめるようになっています。このシステムが採用されている49タイトルの全ては把握できませんでしたが(30以上のタイトルを確認しましたが、類似システムまでは把握できませんでした)、基本的に「MIX JOY」システムが大きく関わっていると見て間違いなさそうです。

 

カプコン対コーエーテクモ 戦国無双シリーズ特許訴訟 特許の内容

請求項1
ゲームプログラムおよび/またはデータを記憶する記憶媒体を所定のゲーム装置に装填してゲームシステムを作動させる方法であって、上記記憶媒体は、少なくとも、所定のゲームプログラムおよび/またはデータと、所定のキーとを包含する第1の記憶媒体と、所定の標準ゲームプログラムおよび/またはデータに加えて所定の拡張ゲームプログラムおよび/またはデータを包含する第2の記憶媒体とが準備されており、上記拡張ゲームプログラムおよび/またはデータは、上記標準ゲームプログラムおよび/またはデータに対し、ゲームキャラクタの増加および/またはゲームキャラクタのもつ機能の豊富化および/または場面の拡張および/または音響の豊富化を達成するように形成されたものであり、上記第2の記憶媒体が上記ゲーム装置に装填されるとき、上記ゲーム装置が上記所定のキーを読み込んでいる場合には、上記標準ゲームプログラムおよび/またはデータと上記拡張ゲームプログラムおよび/またはデータの双方によってゲーム装置を作動させ、上記所定のキーを読み込んでいない場合には、上記標準ゲームプログラムおよび/またはデータのみによってゲーム装置を作動させることを特徴とする、ゲームシステム作動方法。

 

本特許はかなり古い特許で、出願日は1994/12/9なので、今年の12月には権利が切れます。
差止請求も主張しているようですが、訴訟が長引けばそれは功を奏さず、主には損害賠償で争われることになるでしょう。

コーエー側としては、まずは特許無効の抗弁を第一に主張してくるでしょう。また、無効に出来ないとしても、カプコン側が主張している料率はさすがに高いように思います。

ちなみに、本特許の包袋の閲覧請求は、2011年から計10回ほどされているので、裏での交渉は2011年あたりから始まっていたのではないかと推測します。

ところで、日本企業が特許訴訟を起こすときに気になるのが、レピュテーションリスク。今回も層が広いゲームソフトに関する訴訟ということで、各種掲示板などでカプコンさんが叩かれています。
このような炎上が一時的なものなのか、レピュテーションリスクが本当に売上等に影響するものなのか、気になるところです。(私は大して影響しないと思っています。)

 

コーエーを訴えたカプコンの特許ってどんなもの? - 最終防衛ライン3

カプコンの特許は、それぞれ単体でプレイ可能なゲーム1と2があった際に、2を起動させた後に1のディスクを入れると追加要素が遊べるというモノです。これは、パワーアップキットとは異なる概念になります。つまり、信長の野望のパワーアップキットでは、特許が無効であるとは主張できません。
カプコンの特許は1999年11月18日にVol. 1が発売された パンドラMAXシリーズ - Wikipedia のコンバートに近いでしょう。

パワーアップキット - Wikipedia における「動揺の概念」でも解説されていますが、コーエーのパワーアップキットと猛将伝の違いは、単体でゲームをプレイできるか否かにあります。ゲーム本編がなければパワーアップキットのみを購入しても遊べません。一方、猛将伝猛将伝のみでプレイできます。つまり、コーエー猛将伝カプコン特許権を侵害しています。
ちなみに、ビーマニシリーズのアペンドディスクは、アペンドディスク単体ではプレイできないためカプコン特許権を侵害しないと考えられます。同様の理屈でDLCなどもカプコンの特許には該当しないでしょう。セーブデータなどを参照することで追加要素やおまけが遊べる概念がカプコンの特許に抵触するかは素人判断ではよく分かりませんでした。